
LINE BOTはLINE上でユーザーと自走的にコミュニケーションができる、お店や企業の「顔」です。
この記事で紹介している方法を使って、かわいくて面白いボットをパソコン1台で作ることができます。
IT技術者向け記事ではないですが「プログラムが必要な作り方」と「プログラムを使わない作り方」の両方を紹介しています。
linebot作りの参考となりますので、ぜひ最後までご一読ください。
[PR]20日間無料で利用可能な「FirstContact」についても紹介しておりますので、併せて読んでいただけると嬉しいです!
FirstContactのWebサイトでは実際にチャットボットを設置していますので、良かったら試してみてください。
LINE BOT(ライン ボット)とは
LINEにはLINE BOTというサービスはなく、ユーザーからの応答に自動で答えるLINEアカウントの総称です。
チャットボットとは
チャットボットとは、LINEに限らず問いかけに自動で答えてくれるプログラムのことです。単に「ボット」ともいいます。LINEだけでなく、TwitterやFacebookでも活躍しています。近年では、自治体などの行政でもチャットボットが用いられることが多く、問い合わせの自動化、夜間のカスタマーサポートなど、チャットボットの活用幅は多岐に渡ります。
チャットモードとは
LINEの「チャットモード」とは、ボットを使わずいわゆる「中の人」が直接応対できるモードです。
ボットモードとチャットモードは簡単には切り替えられませんので、どちらで運用するかを最初に決めておきます(FirstContactなどのサービスを使えば、ボットモード中でも「中の人」の直接応対が可能です)。
アカウントを無料で作成
さっそくLINE BOTの作成方法に移りますが、まずはLINE公式アカウントを準備しましょう。すでに用意している方はこのセクションはスキップしてください。
>次のセクションに進む
LINE公式アカウントの作成

PCからLINE for Businessにアクセスして、右上のアカウントの開設を選択します。

「LINE公式アカウント開設(無料)」を選択してください。

遷移したページにて再度「LINE公式アカウントの開設(無料)」を選択してください。

続いて、自分のLINEの個人アカウントでログインします。
個人アカウントを持っていない場合は「アカウントの作成」>「メールアドレスで登録」からLINE公式アカウントを直接作成できます。

必要事項を入力して完了です。
スマホ利用について・・・スマートフォンからもアクセスできますが、操作しづらいためPCでの操作をおすすめします。
認証済みアカウントはLINEアプリの検索結果に表示されるなど多くのメリットがあります。追加料金などもありませんので、企業やお店の場合は認証済みアカウントを申請しましょう。
試しに使ってみるだけであれば未認証アカウントを作成してください。あとで認証アカウントに切り替えることもできます。
認証済みアカウントの申請方法はコチラ ※LINE for Businessのページに遷移します。
LINE@は2020年4月にLINE公式アカウントに統合されました。
LINE BOTの作り方 -LINE管理画面で作成編-
一番簡単なボットであれば、今いる管理画面から作ることができます。前のセクションをスキップした方はここからアクセスしてボットを作成したいアカウントを選択してくださいね。

下準備として「設定」>「応答設定」から「応答モード」を「チャット」に変更しましょう。ログイン後、トップページの上部のタブにある「応答モード」をクリックすると設定変更が可能です。
友達追加時メッセージ(あいさつメッセージ)を送る

ホームメニューの左側のタブからトークルームの管理 > あいさつメッセージを選択します。
ユーザーがこのアカウントを「友だち追加」したときに一番最初に送られるメッセージです。テキストだけでなく、画像やスタンプも使えます。
ユーザーからのメッセージに返信する

自動応答メッセージ > AI応答メッセージを利用すると、ユーザーのメッセージに含まれる特定のキーワードに反応してメッセージを返すことができます。
「食べ物」というキーワードが含めれていたら「ボクは油揚げがだいすき!」と返すといった塩梅です。キーワードは複数設定することができます。Enterキーを使ってできるだけ沢山入れていきましょう!
実際に確認してみる
これで完了!ユーザーにお知らせする前に、自分のスマホから確認してみましょう。

左側のタブから友だちを増やす > 友だち追加ガイドを選択し、QRコードを表示します。
スマホでQRコードを読み取って「追加」を選択します。
少し待つとあいさつメッセージが送られてきます。
自動応答メッセージは最大200パターン登録することができます。
使用できるスタンプは、あらかじめ用意されたLINE公式キャラクターのスタンプのみです。スタンプ一覧はこちら(pdf)
LINE BOTの作り方 -Messaging APIで開発編-
自分で会話用にAIを作りこみたいという場合には、Messaging APIを利用します。ただし、今回はAI(人工知能)は使用せずMessaging APIを使った簡単なチャットボットを作っていきます。
※詳しい意味はMessaging APIとは?~意味やできることを解説!~で解説しています。
Messaging APIで開発
では早速手順を紹介します。
LINE Developersにアクセスし、ログインします。

LINE Developersへの登録にはLINE個人アカウントが必要になります。アカウント作成時に「メールアドレスから登録」した方は、ここで個人アカウントと連携するか、新しく個人アカウントを作成してください※1。
個人アカウントを新しく作成するにはスマートフォン(電話番号)が必要です。
※1「すでに連携されているアカウントです」と言われる場合は、一度トップに戻ってログインしなおすとログインできる場合があります。
ログイン後、開発者情報を登録してください。

「新規プロバイダー作成」からプロバイダーを作成します。

「Messaging API」を選択してからチャネルを作成します。
プライバシーポリシーURLの入力欄について・・・空欄でもかまいませんが、チャットボットは個人情報を扱うことも多いため、用意しておいた方がいいでしょう。
サーバーを用意する
Messaging APIは、会話アプリケーションが搭載されたWebサーバーと連携させることで動作します。お試しや学習用であれば「Google Apps Script」などの簡易サーバーでも十分です。
GAS(Google Apps Script)を使ってプログラミング
LINEのチャネル基本設定のページは開いたままにして、別タブでGoogleドライブにアクセスしてください。

「新規>その他」からGoogle Apps Scriptを選択します。表示されていない場合は「アプリを追加」からGoogle Apps Scriptを検索して接続してください。

Google Apps Scriptを作成すると白紙のScriptが作成されます。
Google Apps Scriptはjavascriptで記述しますので、javascriptの文法の知識が必要です。
プログラムの内容を書き込む
今書かれている内容を消去し、以下のサンプルのコードを貼り付けてください。
function doPost(e) { var replyToken= JSON.parse(e.postData.contents).events[0].replyToken; if (typeof replyToken === 'undefined') { return; } var url = 'https://api.line.me/v2/bot/message/reply'; var channelToken = 'ここにアクセストークン(ロングターム)を貼り付け'; var messages = [{ 'type': 'text', 'text': 'こんにちは', }]; UrlFetchApp.fetch(url, { 'headers': { 'Content-Type': 'application/json; charset=UTF-8', 'Authorization': 'Bearer ' + channelToken, }, 'method': 'post', 'payload': JSON.stringify({ 'replyToken': replyToken, 'messages': messages, }), }); return ContentService.createTextOutput(JSON.stringify({'content': 'post ok'})).setMimeType(ContentService.MimeType.JSON); }
「channelToken」には、チャネルごとに設定された「アクセストークン(ロングターム)」を以下の方法で調べて貼り付けします。
チャネルのアクセストークンを調べる
先ほどの「チャネルの基本設定」ページの中ほどに「アクセストークン(ロングターム)」という項目があります。空欄になっていると思いますので「再発行」ボタンを押してください。

アクセストークンを再発行しますか?と言われますので、そのまま再発行ボタンを押してください※2。
※2 失効までの時間・・・新しいアクセストークンを再発行すると古いアクセストークンは使えなくなります。「失効までの時間」を設定すると、古いアクセストークンが使えなくなるまでの時間に猶予をもたせることができます。初回は古いアクセストークンはありませんので、「0」時間で問題ありません。

100文字以上の長い文字列が表示されますので、そのままプログラムの中に貼り付けてください※3。
※3 「Channel ID」「Channel Secret」は本当にLINEからのリクエストであるかどうか確認するために必要ですが、今回は使用しません。
メッセージの設定
プログラム中の「こんにちは」となっている箇所を、好きな言葉に変更します。
スクリプトを公開

メニューから「公開>ウェブアプリケーションとして導入」を選択します。

「アプリケーションにアクセスできるユーザー」を全員(匿名ユーザーを含む)を選択して「導入」を実行します。

「承認が必要です」と言われますので「許可を確認」しましょう。
「このアプリは確認されていません」と言われた場合は「詳細を表示」から自分のアプリケーションに移動します。

Googleから作成したアプリケーションへの接続を許可し「このプロジェクトをウェブアプリケーションとして導入しました。」というメッセージが表示されたら導入成功です。

「現在のウェブアプリケーションとのURL」をコピーしておきます。
連携情報をLINEアカウントに登録
作成したウェブアプリケーションをLINEと連携させます。
「チャネル基本設定」のページに戻って、次のセクションを更新してください。

Webhook送信
「利用する」に変更
Webhook URL
コピーしておいたウェブアプリケーションのURLを貼り付けします( 先頭のhttps://は不要) 。「接続確認」でウェブアプリケーションが有効かどうか調べられます。
自動応答メッセージ
LINE Account Managerから「応答メッセージ>オフ」、「Webhook>オン」にしてください。
テストする

設定は以上ですので、QRコードを読み取ってテストしてみてください。
設定した返事が返ってきたら、OKです!
ボットを更新する
現時点では毎回同じ返答しかできませんので、入力された内容(リクエスト内容)を取得し、それによって異なる処理にしてみたいと思います。
10~13行目を次のように書き換えてみてください。
var input = JSON.parse(e.postData.contents).events[0].message; var message = 'こんにちは'; if(input.type == 'text') { if(input.text.match('ありがとう')) { message = 'どういたしまして'; } } var messages = [{ 'type': 'text', 'text': message, }];
書き換えたら、保存してもう一度「ウェブアプリケーションとして導入」します。

この時「プロジェクトバージョン」は「New(※新規)」を選択してください。
LINE側の更新は不要です。さっそくLINEアプリから「ありがとう」と送ってみましょう!
LINE BOTの開発言語
LINE BOTを開発するのにこの言語でなくてはいけないということはないので、自分の使い慣れたもので大丈夫です。これからプログラミングの勉強をしてチャットボットを作ってみたいという方には、Pythonをおすすめします。サーバを用意する場合ですが、SSLが必須です。http通信は不可ですのでご注意ください。
LINE BOT Designer・・・LINE上での会話をシミュレートできる、公式の無料アプリケーションです。見た目の確認をするのに便利ですが、初心者向けとしては少し難しいです。こちらからダウンロードできます。iPhone、Android各端末での見え方なども見れるのでデザイナーには便利です。
LINE BOTの作り方 -FirstContactで作成編-
言葉の揺らぎや複数の言葉から成る文章に反応させたい場合は、AIに対応しているチャットサービスを利用しましょう。
今回は「FirstContact(ファーストコンタクト)」を紹介します。FirstContactでのLINE BOT作成方法は主に2つあります。
csvファイルからQ&Aを作ってもらう
FirstContactでは、エクセルで作成したcsvファイルからLINE BOTを作成することができます。
20項目までなら無料で作成してもらうことができます(別途FirstContactの月額利用料が必要です)。必要なデータは主に3種類です。

1.質問
ユーザーからの質問。
2.回答
質問に対し、BOTが返答する内容です。画像を表示したい場合は添付することができます。
3.例文
質問に複数のバリエーションがある場合は、例文やキーワードを記載します。
AI型チャットボットの仕組み

「質問」と「例文」をAIに機械学習させ、言葉の揺らぎに反応させることができることができます。
右図のように、登録したものと異なる言葉の組み合わせであっても反応することができます。
csvファイルは事前にスタッフに内容をチェックしてもらいます。
おまかせでつくってもらう
「どんなシナリオを作ればいいか、分からない」
「シナリオ作りがうまくいくか不安」
どのようなシナリオを作ればいいかわからないという場合は、FirstContact専門のプランナー(チャットボットプランナー)に依頼して作ってもらうこともできます。
- 自社のサービスはどういった内容か
- どのような目的で使うのか
- ユーザーはどういう人か
事前のミーティングで上記の内容を打ち合わせすることで、設計からAIの学習までをお任せで作成致します。様々な実績を踏まえたうえで、最適なプランをご提案・実行させていただきます。
LINE BOTおまかせ制作の流れ

FirstContactは20日間の無料トライアルも実施中です。LINEと連携させ使い心地をお試しいただくことも可能ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
LINE BOTの機能いろいろ
では、LINEBOTにはどんな機能がついているのか?一部を紹介させていただきます。

画像、スタンプを表示する
テキストだけでは味気ないですよね。画像やスタンプももちろん使えます!
ボタンを表示する
画像やボタンを表示し、左右にスライドできる「カルーセル表示」や、はい・いいえの2択ボタンを表示できる機能があります。
(申し込み)フォームを表示する
LINEのLIFF(LINE Front-end Framework)機能を利用することで、自社サイト内の応募や申し込みフォームをLINE上に表示できます。ボットと連携することでスムーズに応募や申し込みに誘導することが可能になります!
グループチャットに参加
複数人のチャットに参加することもできます!
ビーコン(LINE Beacon)を使う
専用の機器や対応するBluetooth機器を使った、オフラインマーケティング機能です。
ユーザーがお店の近くに立ち寄ったときや、イベントに来場したときなどにメッセージを送ることができます。
※尚、LINEBOTにかかる費用に関してはLINEBOTにかかる料金・費用・コストとは?~導入前の基礎知識編~をご参照ください。
LINE BOTの活用事例
ここでLINE BOTの事例をいくつか紹介します。今回は5業種から事例を探してみました。

求人系:パン田一郎(フロムエー)
アルバイトの求人検索や給料計算ができるボットです。
かわいいパンダのスタンプがLINEでも人気になっていましたね。
パン田一郎とのおしゃべりもできるのが楽しいですね!

エンタメ系:王様のブランチ(TBS)
OA予告やゲスト出演情報を流してくれるようです。
こちらはTBSの、誰もが知っている人気番組ですね。テレビ番組でもLINE BOTは使われています!
最近、テレビでもLINE BOTを活用する番組やドラマを見かけるようになりました。

食品系:牛角
メニューの紹介やキャンペーン、クーポン配布など、さまざまな便利機能があります。
おいしい焼肉が食べられる、牛角!
友だち登録した瞬間、クーポンがでてきました!

美容・コスメ系:資生堂 お客さま窓口
資生堂では、Webビューティーコンサルタントと「AIみみちゃん」が美容の相談を受け付けています。AIみみちゃんなら、24時間対応です!資生堂の化粧品、どれもステキですよね。

スポーツ系:中日スポーツ
中日ドラゴンズの情報を定期的に届けてくれます。
ドアラで有名な中日!ファンも多いですね。
中日ファンの方は、手軽に好きなチームの情報を閲覧できてうれしいのではないかと思います。
事例を見ていくと・・・
LINE BOTのユーザーは、自社製品の紹介を見るだけでなく、困ったことを解決できたり、キャラクターとのおしゃべりを楽しんだりできることが分かります。
一方で企業は、顧客との接点を増加させることができたり、顧客の生の声が拾いやすくなったりしていて、win-winな状態になっているのかもしれません。
LINE BOTの面白い事例は、他にもたくさんあります。「【面白い!】LINEチャットボットの活用事例7選~おすすめの連携サービスも紹介~」では、LINEBOTの事例だけでなく、おすすめのサービス紹介もしています。気になる方は参考にしてみてください。
また、チャットボットとの組み合わせでより細かなターゲティングも可能になります。

今回は、LINE BOTの事例を紹介しましたが、下記では弊社のチャットボット「FirstContact」の事例も紹介しておりますので、よろしければご覧ください。

最後に
LINE BOTを作るためのいろいろな方法が提供されているほか、LINEの活用をサポートしてくれるサービスも今ではたくさんあります。
そのためチャットボットを作るため巨額の開発費用が必要ということはなくなってきました。
そのぶん、チャットボットを通してユーザーの声をより深く聴くことにコストが割けるようになったと言えるでしょう。
弊社提供中AIチャットボット「FirstContact」のトライアルでは、実際にLINEと連携してお試しいただくことも可能です。使い心地を試してみたいという方がいらっしゃいましたら、お気軽にお申し付けください。
【おまけ1】誰でも簡単に作れるチャットボットの作り方を解説しています。LINE BOTだけでなく、チャットボットに興味ある方はぜひご一読ください。↓
【おまけ2】DX時代である昨今、チャットボットがどのように使われているか?まとめています。チャットボットの利用場面に興味ある方はぜひご一読ください。↓
【おまけ3】ネット通販の需要が拡大し、ECサイトでのチャットボット利用も増えています。EC×チャットボットに興味ある方はぜひご一読ください。↓